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[No.3]
 神官の不運
【登場人物】
クリフト

この殺し合いには姫様が参加している。姫様を殺すことはできない。
できるなら、脱出したい。
だが、考えれば考えるほど、それがどれほど絶望的なことであるのか思い知らされる。

大神官ハーゴン。おそらく異界の者だろう。見たことも聞いたこともない。
だが、どれほどヤバいやつなのかということはよく分かる。
ピサロをもまるで赤子のようにあしらうほどのチカラ。
頭脳のほうも相当なものだと思われる。脱出を目論もうものなら、すぐにドカンだろう。
そして、わずかにではあるが、あのとき感じたあまりに禍々しい気配。
神官としての修行を積んだからこそ分かる、あの気配。
ハーゴンからのものではなかった。
もっと別の、もっと強力な、もっと邪悪な何かがいる。
天空城の文献で見たところの、完全に復活したエスタークに匹敵する邪悪さ。
仮にここから脱出できたとしても、あれと戦うことになるのだろうか。
考えるだけでも恐ろしい。

脱出が駄目なら、優勝を目指すのは?
だが、姫は殺せない。たとえ後で蘇らせることができるといっても、無理なものは無理だ。
となると姫様を生き残らせるしかない。姫様と二人で生き残り、自分が死ぬ。

だが、これも難しい。
ルーシアを殺すのにも抵抗は少なからずある。
が、それ以上に実力面から考えて、ピサロを殺すことができようか。返り討ちになるのは明らかだ。
トルネコにしても、彼の機転と経験はこのような場所では強力な武器となるだろう
他にも、明らかに自分以上の実力者が何人かいた。
結局自分にはどうすることもできないのか…?

思案に暮れるクリフトだったが、ふと支給品のことを思い出す。
あわててザックを探ってみると、三つのアイテムがあった。これが支給品らしい。
相手を一撃で仕留めるダメージを与える魔法弾を放てる杖。
それから、壷の中に入れることで魔法弾を放てる回数を減らさなくできる、祝福の壷。
杖のほうは丁寧にも二つある。ザキの杖というらしい。
ご丁寧にも説明書が付いており、クリフトは使用法を即座に理解することができた。

殺し合いを始める人間が何人かいるのは想像に難くない。
人数が減ったところでこのザキの杖を連発すれば…。
彼がアリーナを生き残らせるためにゲームに乗ることに決めるのに、そう時間はかからなかった。

彼の不運は5つ。
ピサロの強さを身に染みて理解していること。
なまじ優秀な神官であったがゆえに、ハーゴンの背後にある存在にうすうす気づいてしまったこと。
好意を寄せている人間が、ゲームに参加していること。
あまりに強力なアイテムを引いてしまったこと。
さらに、アイテム係の悪魔神官のお茶目で、あるトラップが施されている。
それに気づくのは、いつのことであろうか。
【クリフト@DQ4】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [道具]:祝福サギの杖[7]、祝福ザキの杖[0]
 [思考]:アリーナを守る
 [基本行動方針]:アリーナを優勝させ、復活させてもらって元の世界へ帰る

※クリフトは、残り回数は知りません。投げれば効果があることも知りません。
  サギの杖:現在の1/5のダメージ
  祝福の壷は割りました。

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