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[No.33]
 アリス爆発![2]
【登場人物】
アリス、カンダタ、バズズ、ベリアル、アトラス

「さぁ、人生の最後に相応しい恐怖の悲鳴を上げて貰おうか……キキキ」
「行くぞ、ゼットスクリームアタック!!」
アトラスを先頭にして三体はアリスに向かい駆け出した。
「イオナズン!」
まずバズズが仕掛けた。
先程とは比べ物にならない爆発がアリスを襲う!
「イオラ!」
その攻撃を予測していたアリスはイオラを唱え、爆発力を相殺する。
しかし、爆風を殺しきれずにアリスは吹っ飛ばされた。
「きゃっ!」
爆圧でダメージを喰らいながらも空中で体勢を立て直し着地するとそこにアトラスが迫っている。
「く、喰らえ!」
アトラスがハンマーを振り下ろす。

バキィ、ドゴォン

アリスはひのきのぼうで受け流すが、ひのきのぼうは半ばから砕け散った。
追撃が来るかとアリスは身構えるが、アトラスはそのままアリスの側を通り過ぎた。
そしてアトラスの影からバズズが迫り来る。
「!?」
完全に意表を突かれたアリスはその攻撃に対応できずに硬直する。
「しまった!」
「殺ったァッ!!」
氷の刃がアリスの心臓目がけて疾る。その時――

「姐さ〜〜〜〜ん!!」

ゴォッ

叫び声と共に火線が走り、バズズの攻撃を遮る。
「なにぃ!?」
火線はそのまま弧を描き、バズズの背後にいたベリアルを襲った。

「うおおお!?」
ベリアルはバックステップで炎を回避するがコンビネーションを崩してしまった為
アリスの追撃に移れない。
その隙にアリスは包囲網を抜け出していた。
「はぁ、はぁ、今のは炎のブーメラン? 一体誰が!?」
ブーメランが戻っていく場所をアリスもベリアルも注視する。

シュルル……バシッ

ブーメランはある岩陰へと走り、影にいた人物によって受け止められた。
「おのれ、あと一息のところを邪魔をしおって! 何者だ!」
ベリアルの誰何の声に影はゆっくりと岩陰から姿を現す。
それは覆面マントにパンツ一丁。筋骨隆々の大男。

「正義の勇者アリスの一の子分。またの名を盗賊王カンダタ!
 盗賊団の頭まではったこのカンダタが、今じゃ落ちぶれて何の因果か勇者の手先。
 笑いたけりゃ笑うがいいさ。だがなぁー…姐さんに手出ししようなんざ……」

カンダタはパンツから何かを取り出す。

「てめぇらっ許せねぇっっ」

カシャ

カンダタが取り出し、ベリアルたちへと翳したそれは――。

「「「ロ、ロトのしるし!!」」」

「聖なる守り? なんでカンダタが」
それこそは精霊ルビスが勇者に与えた聖なる守りだった。
悪魔たちが怯んだその一瞬でカンダタは叫ぶ!
「ファルシオ〜〜ン、カムヒア!」

なんとカンダタのザックの中から一頭の雄雄しい白馬が飛び出てきた!
カンダタはファルシオンの背に飛び乗るとアリスに向かって駆け出す。
そして一瞬早く正気に戻ったベリアルはバズズらに向かって号令をかけた。
「奴が来る前にもう一度ゼットスクリームアタックをかける!
 ブーメランによる援護は解っていれば対処できる。行くぞ!」
「お、おお!」
もう一度縦列に並ぶベリアルたち。
しかし今度はアリスは待ち構えていなかった。
「ベギラマ!」
焦熱波が先頭のアトラスに直撃する。
「き、効かん!」
アトラスはそれをあっさりと吹き散らすが、その間にアリスは飛び込んできていた。
「う、うあ?」
思わずアトラスはハンマーを振り下ろすが、アリスはそれをスライディングで回避して
アトラスの股下を通り過ぎた!
思わぬ場所から現れたアリスに今度は逆にバズズが硬直する。
アリスは勢いを利用して立ち上がるとそのままバズズの肩に足を掛け、飛び上がった!
「お、俺を踏み台にしたアッ!?」
ベリアルの槍も届かないほどに飛び上がり、アリスは呪文を唱えた。

「ライ、デイ〜〜ン!!」

ビシャァンッ!!

「ギャバババババッ」
稲妻はバズズを直撃し黒焦げにする。
「バ、バズズ!?」
「まず一匹!」
バズズを屠ったことを確信し、アリスはベリアルの遥か後方に着地する。

パカラッ、パカラッ

そしてその更に後方からカンダタがやってきた。
心強い味方も加わり、意気揚々のアリスは号令をかけようとする。
「さぁカンダタ! 畳み掛けま……きゃあ!」
なんとアリスは馬上のカンダタに掬い上げられ、肩に担がれてしまう。
さも山賊に攫われる町娘のように。(ある意味でその通りなのだが)
そしてそのまま方向転換し、ベリアルたちを避けて南西の方角へ駆ける!
「きゃあ〜〜、何するんですかカンダタ!?」
「あ、姐さん、暴れないでくだせぇ!」
アリスはジタバタと暴れながら抗議する。
「やっと一匹倒したのに! 畳み掛ければ後の二体も倒せるところだったのにぃ!!」
「奴らの話を聞いたっていったでしょう? 奴ら瀕死ダメージも回復するど卑怯アイテムを持ってるんですよ!
 倒した奴もすぐに回復しやす! 姐さんとあっしだけじゃぁこっちが畳み掛けられて終わりっすよ!
 だから今は仲間を集めやしょう、ね?」
「う〜〜」
アリスはまだ納得がいかないようであったが何とか怒りを収めた。
「ま、あれで奴らもその薬を一つ使うでしょうから、それでよしとしましょ。ね?」
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