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[No.4]
 Burn out
【登場人物】
ドランゴ、メルビン

「グゴォーン、グゴォーン」
 大地に巨獣の鳴き声が響きわたる。
緑の鱗に巨大な鋼鉄の斧、口元にはノコギリのような歯を持ち、その隙間から熱い炎が吹き荒れている。
狭間の世界のモンスター、バトルレックス・ドランゴである。
「グゴーン、グゴーん」
 彼女は何かを捜し求めていた。
それはかつて自分の首を落とした青い帽子の少年テリー。
色々あって、結局よみがえった彼女はテリーの元に落ちて彼の用心棒となった。
最後らへんには保護者気取り、はたまた結婚相手のようなつもりで、彼を傍から支える存在となっていた。
 魔物との戦闘においては頼もしいが、一旦テリーのことに話が及ぶとドランゴがしゃしゃり出て空気を乱し、なぜかバーバラとのガチンコ勝負に発展して第二の戦闘が始まるような修羅場もしばしばあった。
 それほどテリーのことを好き、いや愛しているのである。
まったくモンスターがこれほど人間に好意を抱くことなど他にありうるだろうか。

 さて今のドランゴだが、鋼鉄の斧以外の支給品にM203グレネードランチャーとM16ライフルがドッキングした兵器というものが手元にあったが、彼女にはまるで使えないものだった。
 要するにサイズが小さすぎて合わないのだ。
よってザックの中に放置され、テリーに会ったらプレゼントしようということに決まった。

「グごーん」
 周囲を見渡してみる。誰も居ない。
彼女は走った。その重量で大地が軋み、大きな地鳴りが起こった。
自分の存在をアピールしているようなもので、このゲームにおいては危険極まりない所業だった。
 それでもテリーを追い求めて走る。
 そしてたどり着く。
 テリーではなく、槍を携えた白髪の老人の居る場所に。
「むむっ、モンスターめ、とりゃああ」
 出会ったのはメルビンであった。

「きゃあー、誰か助けてー、殺されるー」
ドランゴが滅茶苦茶に暴れるといつのまにか瀕死のメルビンが横たわっていた。
「ぐふっ、つ、強すぎる……わしはもうダメじゃ」
我に返ったドランゴは呆然とその姿を見下ろしていた。
「あっ、どうして私はこんなことを……」
そして老人に近寄り声をかけた。
「ああ、こんなことをするつもりはなかったんです。でもあなたが急に襲いかかってくるからつい……」
ドランゴは慌ててベホマをかけた。
「あれ?どうして?あまり効果がない」
記憶を捻ってハーゴンの説明で回復呪文はほとんど効き目がないことを思い出した。
「そういえばそうだったわね。仕方がない、これで我慢して」
ドランゴはもう一度念入りにベホマをかけるとメルビンを草むらのなかへ押しやった。

「ここなら誰にも見つからないでしょう」
そして彼女は西へと歩いていった。

「い、いったいどういうつもりでござるか。あの魔物……」
未だ重症のメルビンは、去り往くドランゴの背中を恐々としながら見送っていた。
【B-3/レーベ東部の草原/朝】

【ドランゴ@DQ6】
 [状態]:正常
 [装備]:鋼鉄の斧
 [道具]:M16ライフル+M203グレネードランチャー
 [思考]:青い人(テリー)を探す

【メルビン@DQ7】
 [状態]:全身打撲の重症
 [装備]:メタルキングの槍
 [道具]:不明(2つ所持)
 [思考]:動けないので身を隠す

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