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[No.6]
 Count Down
【登場人物】
トルネコ、ゲマ

「起きて!あなた!!」
「ネネ!?」

トルネコは、ハッとして目を覚ました。
辺りを見回しても当然ネネは居ない。それどころか、目に殺気をみなぎらせた異形の者が嘲笑を浮かべ
ながらこちらを見ている。不味いことに、体は拘束されていた…。

「おや、もう起きてしまったんですか?変ですねぇ、豚なら死んでも起きないはずだったんですが?
ここに招待されたということは、あなたにも何か不思議な力でもあるのでしょうねぇ…ほっほっほっほっ
でも、その状況をあなたには打開できますか?」

ゲマは明らかにこちらを馬鹿にしていた。
この、デップリした容姿からだろう。
しかし、トルネコは思いのほか冷静だった。
ネネの声が彼には聞こえたのだ。幻聴かもしれない。
だが、ここで死ぬわけにはいかない。家族が待っている。
何か、作戦を…。

(何もしなければ、奴に殺られますね。
私の体は木によりかかるようにして、爆弾付きのワイヤーが括り付けられている。
どうやら私の手榴弾のようだ…。
『不思議な力』か…わしは、ただの商人だ!商売くらいしか能がない。
何かないか…この草はっ!)

「5」
「ほっほっほっほっ。そのまま何もしないでっ!モガッ!?」

トルネコはゲマの死角になっている左手で、ポケットに入っていた草をゲマの口に
放り込んだ。それと同時に手榴弾のピンもいくつか外れている。
それでも、手榴弾は直ぐには爆発しない。数秒の時間がある。

「3」
「何を…飲まっ!?」

口の中に熱いものがこみあげてくる。
ゲマはたまらず地面に向かって吐き出した。
すると、ゲマの口から火が噴き出し自分の足を焼いてしまった。
どうやら、火炎草だったようだ。

「2」
「ぐぎゃあぁぁぁぁ!!足が〜!!」

転げまわるゲマの目の前には、予測されたように数個の手榴弾が投げられてあった。
トルネコに括り付けられていたものだ。

「1」
「ハヵッ!?マ、マホ…」

ゲマは何か呪文を唱えようとしたが、もう遅い。
トルネコは素早くワイヤーを振り払うと、その体に似合わない身のこなしで大木の陰にスベリ込んだ。

「0!」

最初の爆発をきっかけに次々と誘爆し、派手な爆発音が響く。
辺りの木々はなぎ倒され、焦げ目と肉片が付着している。
しかし、トルネコが隠れた木は倒れなかった。樹齢400年はあろう大きな木だ。

爆発の影響のせいで大気が熱い。この場に居ては身が持たない。それに、今の爆発の音を聞いて誰かが来るかもしれない。
敵味方を問わず…。
トルネコは、もう動けないほど消耗していたがその場を後にした。

「ネネ、ポポロ!わしは必ず帰るぞ!!」

トルネコの勝因
まずは、知識と経験だ。
彼は、勇者と旅をしたことがあり、更に数え切れない程のダンジョンを制覇してきた。
彼は物を「投げる」のが得意だった。
ダンジョンの中では、これができなければ生き残れない。
更に商人ということもあり、アイテムの知識・扱いには長けている。

彼はこの手榴弾の性質を知っていた。
ピンを抜いてから約5秒で爆発することを。
おそらく支給品を確認しているときに使ったのだろう。

トルネコの幸運
ゲマが油断していた。
ゲマは5秒のタイムラグを知らなかった。
ワイヤーは、手榴弾のピンが外れると緩むようになっていた。
(ゲマの考えは、ピンが外れる=トルネコの死だったため)
更に手榴弾はトルネコが動かないことが前提で設置されていた。
そのため、完全には固定されていなかったので容易に外すことができ、投げることができた。
【D-3/森/昼】

【トルネコ】
 [状態]:疲労困ぱい 軽い火傷
 [装備]:なし
 [道具]:ワイヤー(焦げて強度は弱くなっている)
 [思考]:この場から離れて休憩

※トルネコが寝てしまったのは10分弱です。
  ゲマが手榴弾の効果を知っていたのは魔力の波動を感じたため。
  ゲマの所持品はほとんど吹き飛びました。
  薬草は使用しました。

【ゲマ@DQ5 死亡】
【残り41人】

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