[No.49]
観察者
【登場人物】
ピサロ
「派手な事だ。さて、どっちに向かうか」
銀色に光る黒い影が周囲の気配に警戒しながら、扉の前で考えていた。
利用できる人物を探して城下町に出ようした矢先、町から爆発音が響く。
さらに、次の瞬間、城内で有り得ない短時間に、呪文が連続して炸裂した音が響いた。
城内で動いているのは、先ほど逃がしてしまった勇者であろう。
連続して響いてきた音から、対峙した時とは明らかに違う。
呪文の熟練者といえど、あれだけ立て続けに呪文を放つのは至難の業だ。
何らかの加護があったと見える。
城外は爆発音の後、ここまで届く悲鳴が聞こえた。相手が生きている以上、完全に決着はついていない。
呪文であるかは判断できないが…方角は南東のようだ。
自分の目的は、ハーゴンを抹殺。
その為に、己が自由を奪う忌々しいこの首輪を外し、ここから脱出してハーゴンのいる場所まで辿りつかなければ。
必要なのは、利用できる人物。できれば強い魔法力を持つ、呪文に精通した人物だ。
すぐに決断した。
「愚かな人間どもめ」
吐き捨てた。
今、彼は侮蔑もあらわに、遠くから人間達を見ている。
観察している三人の内二人は回復呪文を使えるようだ。もう一人にも魔法力を感じる。
「まずは、手駒が必要だ。
あの勇者の持つ力を手に入れる為にも」
戦いを始めるであろう者達に、冷徹な目を向けた。
【E-4/アリアハン城下町東門付近/昼〜午後】
【ピサロ@DQ4】
[状態]:やや情緒不安定気味 右肩と左腕に切傷(軽)
[装備]:鎖鎌 闇の衣 アサシンダガー
[道具]:エルフの飲み薬(満タン)
[思考]:ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺
ゲームに乗りつつも、ハーゴンの虚を突く為首輪を外す方法と脱出方法を考える