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その先には「未来」

その先には「未来」


登場人物
エイト(DQ8)、マリア(DQ2)、竜王(DQ1)


夢を見た。
この寒さは、厳しいロンダルキアの地。
広がる景色は、白一色。
死地と呼ぶには、思いの外美しかった。
そう、それはあの二人との旅路の終焉の地。
降り頻る新雪に視界を遮られ、積もり積もった氷雪に足を取られ。
転びそうになった私の手を取ってくれた。
厳しい山道で肩を支えてくれた。
山を一つ越え、彼方に祠の影が見えて─二人は、とびっきりの笑顔をこちらへ向ける。
笑顔を返そうと思ったが、灯りを消したかのように雪景色が暗黒に染まる。
2人の笑顔が闇の中に遠ざかり、そして、消えたところで目が覚めた。

 
「ん……」
「おはようございます。時間、ぴったりですよ」

目をこすり起き上がったマリアに、首輪監視役として付き添っていたエイトが微笑みかけた。
寝台の横には、自分の次に見張りにつくアレンが音も立てずに静かに眠っている。
そういえば、話したいことがあったなと思いつつ、欠伸をかみ殺しきれずふわっと漏らす。
エイトが見ていることを思い出して、はしたなかったと少々頬が温かくなった。
明晰なマリアのことで、すぐに状況を反芻する。
この首が繋がっているということは危惧していた爆破も起こらず、順調に休めているということだ。
皆で一斉に休み始めてから、どれだけの時間が経ったのだろうか。
魔力は、もう一度休めば全快と言えるまでに快復すると見込んだ。

「失礼します」
「あ……ありがとうございますエイトさん」
「いえ、では僕ももう一眠り」

部屋の戸は静かに閉じられる。
が、すぐに開かれた。

「忘れるところでした。これを」
「?」

鎖からぶら下がったのは、夢で見たあの地の幻を消し去ったそれ。
ルビスの守りを、手渡された。

 

「フォズさんからです。頼まれまして」
「……これは」

輝きが、二つ。
小さい光だが、確かに宿っていた。

「……ありがとう、確かに受け取りました」
「では改めて。おやすみなさい」

ひとつ笑顔を見せて、再びエイトは戸の向こうへと消えた。
目の前に護りをぶら下げて、マリアはぼんやりとそれを眺める。
挫けそうになりながらもたどり着いた氷雪の地、ロンダルキア。
そこで手に入れた最後の紋章、そして忌むべきハーゴンのまやかし。
打ち払うべくルビスの助力を得るには、帰還せねばならなかった。
凍えた心と身体には、久しぶりに降りた下界の海がひどく暖かく感じたのを思い出す。
その紋章は……いま、ここには無い。
彼の心に刻まれていた紋章は、どこに?
考えるうちに、いつの間にか伏せていた眼を開ける。

「……ルビス様、ご覧になっているのですか」

─光が、三つ。

「勝ちます。私は、勝って見せます。あの時のように」

強き思いは世界を越える。
祈りを強め、守りを胸に抱いた。

「ありがとう、フォズさん。エイトさん」

志を共にする仲間にも、感謝は尽きない。
しかし聡明な彼女の頭に浮かんでいたのは、次の疑問であった。

「五つの紋章、揃いしとき……でも、何が……」

夜は長い。
彼女の疑問は、時間を忘れさせるのに十分だった。

 
 
 

「どこから、話そうか」
「どこでもいいの。聞かせて、彼と、あなたとのすべてを」

時刻は進み、僅かに夜明けの兆しが見えようかというとき。
エイトからマリアへ、そして今アレンへと順番が回った。
といっても、アレンは交代の時間より幾分早く目覚め、彼女に連れ添って起きていた。
寝台を椅子に横並びに語らう二人は、こんな場所でさえなければ甘い言葉を囁き合う恋人のように見えた。

「慕う者の死だ。辛いぞ」
「いいの、あなたが本当に彼の心を継いだのなら」

ここまで言ってマリアは首を横に振る。
今更本当に、など確認することではない。
りゅうおうは、アレンだ。

「あなたの言うこと、きっと彼の最期の言葉として、受け入れられるもの」
「……」

紡がれるのは、ロトの末裔が現ではないどこかで絶えた、最後の物語。
語るのは、彼を手にかけた者。
聞き入るのは、彼を恋い慕った者。
アレンの声は、かつての竜王の声より、どこか嗄れて聞こえた。

 

「すやすや……」
「……」

語り終えたときに、マリアは既に眠っていた。
少々長話が過ぎ、アレフ、ローラといったマリアの先祖の話にまで縺れ込んでしまったのはやりすぎた、と思う。
だがその寝顔は安らぎに満ちていた。
そしてローラの最期の顔に、よく似ていた。

「マリア、お前だけは……しあわせに」

本当に告げたかった人はもういない。
だから、あの人の未来に自分は命を捧げよう。
─しかし。
この想いは、明日への希望では無かった。

「未来への「道」は、明日への希望が切り拓く……過去を糧に剣を振る儂に、女神は微笑まぬ……か」

微睡むマリアが頼んだのは、この守りを続けて手渡すこと。
光は、三つ。
奇しくもアレンの次に控えるは、彼と最も縁有る勇者。

「英雄譚、古の伝説……終焉を告げるのは、いつも……勇者の勝利だ。儂がそれを望むのも、おかしな話だが……」

自分と同じく大切なものを失いつつ、未来を目指す宿敵にこれを託そう。
守りはきっと、輝く。
別離に囚われた、過去を食らう竜には、女神の奇跡など訪れないのだから。

「願わくば……勇者アレフに、勝利が訪れるよう」

傍らで眠る彼女に倣い、祈ろう。
誰にも届かぬ宿敵の名を、精霊神ルビスへと願った。
どこまでも遠い、空高き天空の星空にまでその願いが届くように。


【E-4/勇者アリスの家一階/黎明】
 
【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:健康 MP4/5〜 (回復中)睡眠中
[装備]:いかずちの杖 布の服 風のマント インテリ眼鏡 鉄の杖
[道具]:小さなメダル  
[思考]:儀式の阻止 アリスを支えたい

【エイト@DQ8主人公】
[状態]:健康 MP1/5 首輪なし 熟睡中
[装備]:メタルキングの槍 はやてのリング 布の服(アリス家から調達)
[道具]:イーグルダガー 支給品一式 無線インカム 
[思考]:悲しみを乗り越え、戦う決意
  
【竜王@DQ1】
[状態]:健康 MP3/4 人間形態 首輪なし
[装備]:竜神王の剣
[道具]:外れた首輪(竜王)ルビスの守り(命の紋章 水の紋章 月の紋章 残り二つ)
[思考]:この儀式を阻止する 死者たちへの贖罪 脱出方法の実践 マリアと自分の首輪監視

※ファルシオンは家の前にいます

※アリスの家内に以下のアイテムがあります

※以下の装備品類は、分配された可能性があります
プラチナソード 破壊の鉄球 さざなみの剣 鉄の杖 魔封じの杖
炎の盾 マジックシールド あぶないビスチェ インテリ眼鏡
84mm無反動砲カール・グスタフ(グスタフの弾→発煙弾×1 照明弾×1) ビッグボウガン(矢 0)
 
※以下の三つのアイテムが、フォズ・ピサロ・マリアの間で分配されました
引き寄せの杖(2) 祝福サギの杖[7] 飛びつきの杖(2)

太陽のカガミ(まほうのカガミから変異)  
錬金釜 IN(雨雲の杖 太陽の石)  ラーの鏡 神鳥の杖


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