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壊れた命 壊れ行く魂

壊れた命 壊れ行く魂


登場人物
テリー、レックス、ハッサン、トロデ、マリア


今のテリーは、あのクールで無愛想な剣士ではない。
姉を殺され、狂鬼と化した剣士である。

 
「うぉぁぁああああああ゛あ゛!!」

城内に、雄叫びがこだまする。

「もう、うるさいなぁ」

前傾姿勢で切り込むテリーに対し、邪悪なる勇者のいかずちが放たれた。
テリーは、手の動きを読みすぐに回避行動に移す。
だが、それを予測したように、雷は無数に弾けてテリーを襲う。

「ふふ〜ん♪」

凄いだろ、と言いたげに少年がこちらを見ている。
それを、眼光だけで相手を突き殺せるような目で睨みつける。

「…これが、どうしたー!!」

当たりそうな雷だけを見極め、それら全て剣で受ける。
それを、城の壁に剣を突き立て雷を放出する。
この時、剣に違和感を感じた。
テリーは多少のダメージを覚悟したが、それがなかったのだ。
普通であれば、剣を伝い電気が体を走るだろう。
この、呪文を弾くような感触……考えるのは後だ。
今は、姉さんの仇を討つのみ!

「やるねぇ。でも、これはどう?
ライデイン(×2)、べギラマ(×4)」

詠唱を破棄した魔法の展開は早い。
轟音とともに豪速で駆けるいかずちと、追い討ちをかける炎の閃光。
しかし、走り始めた剣士の足は止まらない。
ライデインは剣で受け流し、べギラマはかわして突っ込んでいく。
目標は、姉さんを殺した仇のみ。
少年の目の前まで踏み込み、剣を振るう。
少年も、負けじと片手で呪われし大剣を振り下ろす。
両者に一筋の汗が流れた。

キィィィン

剣と剣がぶつかり合う。
高い音が響き渡り、激しい鍔迫り合いが始まった。
力の差は歴然。少年……レックスの背に壁が迫る。
 

純粋な力のぶつかり合いでは、子供の腕力では大人には勝てない。
レックスは、力の差を痛感し、左手をかざす。

「ライ…デイン!」

しかし、何も起こらない。
慌てるレックス。何故?
手を見ると、祈りの指輪が風化していく。
そして、ひびの入った指輪が一つ残った。
呪文を唱える際に使う魔力を、祈りの指輪に依存し過ぎていた為に限界がきたのだ。
クソっ、と思いながら魔力を練りなおすが、テリーがその隙を見逃すはずがなかった。

「…終わりだ!!」

テリーは、力の限りレックスを吹っ飛ばした。

「うわぁぁぁっ!」

壁に、頭から激突したレックスは額から血を流し気絶した。
テリーは、ゆっくりとそこに近づいていく。
視界に姉さんが入ってきた。あまりに、無残な姿だ。
呪われていたなんて、理由にはならない。
こいつは、姉さんを殺した。仇は討つ!

足元に、子供が転がっている。止めを刺せるところまで来た。
テリーの目は冷ややかで、とても子供を見る目ではない。
ただ、殺意のみでそれ以外の感情は何もなく、剣を振り下ろす!!!!

切った感触はない。筋肉質でマッチョな男が、俺の腕を掴んでいるせいだ。
誰だ?なんだ、ハッサンか……。なぜ、邪魔をする?
 
 
 
「なぜ、邪魔をする!!ハッサン!!」

激昂すると同時に、ハッサンの手を振り払った。

「相手は子供だ!しかも、呪われているんだぞ!!」
「何が、子供だ!お前も見ただろ?こいつは、姉さんを殺したんだ!!」

ハッサンは悲しげな目で、ミレーユの亡骸へと視線をむける。
俺が、間違っているのか?いや、違う。みんな被害者だ。

「仇が、討ちたいのか?ミレーユは、そんなこと望まねぇよ。
それに、相手が違うぞ。ハーゴンとかいう奴が、全部悪いんだ」

テリーの手に力が篭る。
――呪い、ハーゴンのせい?そんな割り切れるものじゃない。
           でも、確かに姉さんはこんなこと望まない
                         姉さん、どうすればいい――

『私は、その子を救おうとした。無理を言うようだけど、私の代わりにあなたが助けてあげて、ね』
ハッとしてミレーユの亡骸を見る。幻聴?
くっ、頭が痛い……。その場に膝をつく。

姉さんを殺した奴が目の前にいる。
姉さんはそんなこと望まない。
殺した奴が目の前にいる。
そんなこと望まない。
殺した奴。
望まない。
 
 
 
――私の代わりにあなたが助けてあげて、ね――

(どうする?殺すか?助けるのか?
ぐぅぅぅぅぅうううわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛っっ!!!
………………………………そうだね。姉さん)

ふと、気付くとハッサンが大丈夫か、と言わんばかりに覗き込んでいる。はっきり言って、うざい。
ハッサンを無視して少年の方を向き、剣を構える。
あぶない、と感じ止めに入るハッサンだが、テリーはこちらを意識していた為、止めようとしても軽くあしらわれてしまった。

「…黙って見ていろ!木偶の坊」
「?」

殺気が消えていた。
いつものノリに戻っているような感じがする。けど、何をするつもりだろうか。
テリーは、少年を見据えると、剣を石畳に突き立てた。
耳が痛くなる程の鈍い音。そして、そこにあった物が二つに割れた。
ハッサンがそこに目を向けると、折れたみなごろしの剣がそこにあった。
レックスの手には、柄だけが握られている。
 
 
 
ここは、城の客室だろうか、少年がベッドに寝かされている。
その手には、呪われし大剣の柄を握りしめたままで……。
この場にテリーはいない。
ミレーユを抱きかかえて、外に出て行ってしまった。
この場にいるのは、レックスを警戒しているハッサンと、
折れたみなごろしの剣を分析している自称王様の魔物、それを心配そうに見つめる王女様。

呪いのことだが、トロデ王曰く、剣が折れたことで呪いは確実に弱くなっているそうだ。
だが、呪いが解けたわけではない。気が抜けないな。

やっぱり、神父様でなければ解けないのだろうか。
まてよ、さっきの神官なら…いや、駄目だな。
と、一人思案していたハッサンだった。そこで、少年レックスの異変に気付いた。
今にも、目覚めそうな様子だ。ハッサンは警戒を強めた。
それに気付いたマリアがすっと近づいてくる。
注意しろと促がしたが、「ご心配なさらず」と微笑む。
そして、呪文の詠唱を始めた。

「…ラリホー」

レックスは、再び深い眠りにつく。

「こんなこと、いつまでも続けられませんね…。早く、呪いを解いて上げなければ……」
「ああ、あんただけに負担をかけさせる訳にはいかねぇ」
「いえ、私は構わないんです。ただ、この子が可哀想で……。
ところで、あの方は?」
「見回りに…「えらいっ!!!」

トロデ王がいきなり話に入ってきた為、二人の話は中断された。

「その献身的な振る舞い!流石は、ミーティアと同じ年頃の姫君じゃ!
きっと……………………………………………」

ハッサンの回答を切ったにも関わらず、トロデ王の話は続く。

一方、テリーは城を出て直ぐの場所にいた。
テリーの前には、木で作られた墓標が立っている。
そして、彼の場所にだけ、悲しみの雨が降っていた。


【E-4/アリアハン城内/夕方】

【トロデ@DQ8】
[状態]:疲労 空腹(重)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(不明の品が1?)
[第一行動方針]:少年の呪いを解く方法をさがす
[基本行動方針]:仲間を捜してハーゴンを倒す

【マリア@DQ2ムーンブルク王女】
[状態]:疲労
[装備]:いかづちの杖
[道具]:支給品一式(不明の品が1〜2?)
[第一行動方針]:少年の呪いを解く方法を探す
[基本行動方針]:打倒ハーゴン

【レックス@DQ5王子】
[状態]:呪われている(呪いの効果弱)  気絶(睡眠) 打撲
[装備]:折れた皆殺しの剣 王者のマント
[道具]:祈りの指輪×1(一回でもつかえば限界)
[基本行動方針]:不明

【ハッサン@DQ6】
[状態]:疲労
[装備]:聖なるナイフ
[所持]:まだらくも糸 魔物のエサ
[第一行動方針]:レックスを見張る
[第二行動方針]:テリーが気になるがそっとしておく
[第三行動方針]:ミレーユのことを、彼女らに話すべきだろうか…
[基本行動方針]:打倒ハーゴン

【E-4/アリアハン城外/午後】

【テリー@DQ6】
[状態]:疲労大
[装備]:さざなみの剣
[道具]:ボウガン(鉄の矢×30) イーグルダガー
[第一行動方針]:不明
[基本行動方針]:不明

※小さなメダル トゲの鞭 毒薬瓶  ミレーユの不明品3つ は、ハッサン達のいる部屋にあります。
  ミレーユのことですが、王女達は見ていません。ハッサンは、そのことについて話すか悩んでます。
  レックスの呪いの効果は弱くなっています。


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