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魔王上陸

魔王上陸


登場人物
ピサロ、フォズ


 日もやや傾きかけた空。
先ほどまでは静かであった水面に波紋が幾筋も走る。
水音をかき消したまま、その者は岸に上がった。
 腕の中にゆるりと眠る少女を抱えたその男、ピサロ。
アリアハンにから東、山向こうに強大な魔力を感じ取ったピサロは東にいくルートを選んだ。
だが、険しい山岳を越えるのは得策ではない上に腕の中の重荷がそれを許さない。
そこで、湖を横断するに至ったというわけだ。
 濡れてしまった衣服を乾かすため、ピサロは火を起こす。
少女はというと、こちらの気をも知らずに深い眠りの世界に誘われたままだ。

「…こちらの気、か。我が心、自分自身も理解できんというのにな」
ピサロは笑いを薄く漏らした。
 ─おかしなものだ、魔王と呼ばれた私がこんな酔狂な真似をしているとはな。
まるで、あの男…「勇者」の真似事ではないか。
 ピサロは眼を伏せて思い直す。

この娘を助けたのは、微かな希望に懸けた。それだけの事。
 決して無力な存在を守るからとか、罪も無い子供を襲う輩が許せないといった、
あの男のような腑抜けた感情から生まれた行為ではない。

「ん…」
 眠っていた少女が呻いた。
ピサロが眼を向けると、襟元から何か飛び出している。
動いている、どうやら生物のようだ。
ピサロは、少女の胸元のそれをひょいと摘み上げる。
…噛まれた。
その緑黄色の生物は、爬虫類の特徴たる縦長の瞳孔を向けてピサロの指にぶら下がっている。
あるのか無いのかはっきりしない牙を突き立てている。
痛いというか、こそばゆい。
無言で手を振るって地に落とすと、その蜥蜴は少女の袖の中へと逃げ隠れていった。
しばしの沈黙の後、ピサロは名簿を広げた。

 ─眼を覚ますのは、半日以上はかかりそうだった。
仮死状態まで陥ったのだ、そうそう目覚めまい。
起きられても返って足手まといになり、歩みが遅れる可能性が大きい。
ならば、このまま一気に東周辺を巡ろう。
ピサロはそう、考えた。

名簿の中の写真を見て、そのいくつかに印をつける。
「…こいつは、城で死んでいたな」
自分で首を落とした少女を名簿に見つけ、そこには印をつけない。
ピサロが気を留めたのは名前ではなく、髪。
古より、赤毛の人間、特に女は強大な魔力を持って生まれるとされている。
 もちろん、例外も星の数ほどある。
例えば、自分の元の世界の思慮の欠片も無い、呪文一つ使えぬ姫君といった人間だ。
どこかで特大のクシャミが聞こえたが気にはしない。
 人間の作り出した下らない言伝えと言ってしまえばそれまでだ。
だが、現に大広間に集められたときに見受けた赤毛の女達。
そして、城の地下で死んでいたあの赤毛の少女。
奴らは全て、強大な魔力を持っていた。

ピサロは、足元の少女を抱き上げて、北へと急いだ。
強大な魔力を感じる、そちらの方向へ。


【D-4/森林/午後】

【ピサロ@DQ4】
[状態]:健康 MP6/7程度
[装備]:鎖鎌 闇の衣 アサシンダガー
[道具]:エルフの飲み薬(満タン) 至急品一式
[思考]:ロザリーの仇討ち ハーゴンの抹殺 襲撃者には、それなりの対応をする
     北にいる強大な魔力の持ち主と接触する

【フォズ@DQ7】
[状態]:深い睡眠(時間経過で回復)
[装備]:天罰の杖
[道具]:炎の盾  アルスのトカゲ(レオン)(ピサロに警戒中)  支給品一式
[思考]:ゲームには乗らない アルス達を探す


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