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Chaos

Chaos


登場人物
エイト(DQ8)


鐘の音と共に太陽の光が影をつくり、影は全ての存在を浮かび上がらせる。
海に大地の影を、森に木々を、平地に山を。
町には折れた柱、城には瓦礫。
戦いの、血の跡さえも例外ではなく。
あらゆるものが自分の存在を高らかに歌い出す。
歌いはじめた大地で一番高い影があり、その近くに、ぽつんと2つの存在が。
火と共に揺らめく影と火の前に座っている人影。
 
 
エイトは手で槍を握り締めたまま火の踊る様を凝視していた。
女性と思われる声の皮肉な口上を聞き流し、禁止エリアを頭に刻む。
声が途切れ、一瞬の空白。
次に聞こえてくるであろう内容に対し身構えると同時に、心の中で強く無事を祈る。
トロデ国王陛下、ローラ姫、キーファ王子、ククール、アレフ。
「嫌なところで間を置かないでもらいたいな」
無駄だと知っていても、祈らずにはいられない。
この戦いに巻きこまれた人々の無事を―――。
『最後に、日没の放送から夜明けまでの死者の名を読み上げます。――』
思わず更に力を込めて槍を握る。
祈っても死者の名前は読み上げられる度、絶望と無力感に苛まれる。
死者毎に悲しむ人が居る。
たとえ、ここで悲しむ人が居なくても、ここに連れてこられる前の場所には…。
『ククール』
天を仰いだ。
聞き間違いだろう?

まさか。
要領良さげに全てを悟ったような顔をしていた彼が?
『ドラゴン』
いけない。他の名前を聞き逃しては。
続けられる声に無理やり意識を戻す。
『フローラ』
『クリフト』
『リア』キーファの、ランドの
『アトラス』…アリーナ姫
『サマンサ』ゴンさん。
『―――以上、死者13名、残り12名』
女性の声が止まった。
沈黙に耐えられない、と思った。
「う、うわぁぁぁあぁぁぁぁぁ」
込み上げてくる感情が、絶望なのか失望なのか、安堵なのか哀悼なのか。

場を和ませようとククールが冗談を言う。冗談に含まれるさりげない気配り。
その冗談に突っ込みを居れるゼシカ。気の強い、すこしばかりの優しさが滲む言葉。
気の強さでは多分張り合うであろう真っ直ぐなアリーナ。
まっすぐな彼女に感化されていた魔物、アトラス。
ゴンさんはローラ姫を庇って亡くなった。
僕も庇われつづけている。

記憶の波が次から次へと押し寄せてくる。

これまで冷静に耐えてきた。
その反動なのかも知れない。
嘆くよりも自分にはやるべき事がある。
だが、この一瞬、一人だけの、この時間だけは感情に身を任せようと思った。
 
 
 
太陽は影を伸ばし、闇に潜んでいたものが自分の存在を高らかに歌う。
影は濃くなりつつあった。


【E-3/ナジミの塔の島・浜辺/早朝(放送直後)】
【エイト@DQ8主人公】
[状態]:HP1/3 MP1/2 左肩にダメージ 腹部と背中に打撃 火傷 極度の疲労 びしょ濡れ
[装備]:メタルキングの槍
[道具]:支給品一式 首輪 あぶないビスチェ
[思考]:ある程度回復したらアリアハンに行く 仲間(トロデ・ローラ優先)を捜し、護る 危機を参加者に伝える


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