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[No.9]
 コンビプレイ
【登場人物】
ハッサン、テリー、マルチェロ

勇者の街と謳われるアリアハン城下。
東側からは武具屋から宿屋、そして道具屋と続いている。
注意深く辺りをうかがっていたハッサンは、道具屋の角に人影を見つけて、一瞬ぴくりとした。
それがよく見知った人物であると分かると、安心して近づく。

「テリー。無事だったか」
「ああ、ハッサン。あんたもな」

無防備に歩み寄っていたハッサンの足が止まる。
テリーの手にしたボウガンが自分の胸に向けられているのに気づいたから。

「悪いが死んで貰う、ハッサン」
「なんでだ!」
「決まっている。姉さんを生き残らせるためだ」

向けられたボウガンの矢、刺すような視線。
――テリーは、本気だ。

「…俺もまだ死にたくはない。殺しはしないが抵抗させて貰うぜ」

そう言うとハッサンは自分に支給されたアイテム――聖なるナイフ――を取りだし、
投擲するような形に構えた。

(お互い飛び道具か…)

張りつめた緊張感の中に、ほんの小さな雑音が入り込んだ。

命のやりとりの中で、神経が研ぎ澄まされていたのだろうか。
普通の状態だったら聞き落としたに違いない小さな足音に、
二人は反応しそちらを見る。
アリアハン城下町の入り口辺り、50メートルほど離れた場所に、マルチェロが立っていた。
…肩に担いだ84mm無反動砲カール・グスタフを、二人に向けて。

「ハッサン!」

叫んだテリーと視線を交わし、頷く。戦闘中の立ち位置を確認をするときのように。
二人はアリアハンの入り口へ、マルチェロの方に向けて走り出した。
発射された弾がちょうどハッサンとテリーの真ん中を通り過ぎ、道具屋の入り口の辺りで轟音が起きる。

(はずした…!?もう一回!)

もう一発撃とうとして、マルチェロは動揺した。二人がすぐそばまで迫っている。
――弾が出ない!?マルチェロはカール・グスタフが単発式だということを知らなかった。
立ちつくしてしまったマルチェロの両サイドを、ハッサンとテリーが走り抜ける。
すれ違うその瞬間、ハッサンは逆手に持った聖なるナイフを思い切り振り抜いた。
――狙いは、マルチェロの左腕。
同時に右側から矢が放たれる音がした。
そのまま走り抜け、アリアハンの出入り口を駆ける。
ちらりと振り返ると、マルチェロの両腕がだらり、と下がっているのが見えた。
追い打ちをかけれる状態ではなさそうだ、それだけ確認すると視線を戻して走り続けた。

「ここまでくれば大丈夫だな」

しばらく走って、やっとテリーが速度を緩める。ハッサンもそれに倣った。
二人はアリアハンから北に走り続けて、森の入り口まで差し掛かっていた。

「いくら殺し合いの最中だからって、あんな大砲みたいな武器持ってるのは反則だぜ。
 使い慣れてなかったみたいで助かったけどよ」
「それだけあっちも必死なんだろうさ…しかし」

ザックから支給された水を出し、喉を潤しながらテリーはハッサンを見た。

「よくあんた、俺の考えてることわかったな?」

懐へ飛び込み、両腕を負傷させて追撃を防いで逃げ切る。
それがテリーが描き、二人が成功させたシナリオだった。

「へっ、だてにテリーの隣でデスタムーアやドレアムと闘ったわけじゃねえよ」

にっと笑ってみせると、テリーはそっぽを向いてしまった。

「…2時間くらい寝る。その間見張りしとけ」

ぽん、とボウガンが投げ渡される。それを受け取りながら、ハッサンは聞いてみた。

「俺を殺すんじゃなかったのか?」

しばらくの沈黙の後、答えがあった。

「…気が変わった。死ぬまでこき使ってやるから覚悟しとけ」
【D-4/アリアハン北部の森/朝】

【ハッサン@DQ6】
 [状態]:走ったことによる疲労(数分で回復)
 [装備]:なし
 [道具]:ボウガン(鉄の矢×30) まだらくも糸 魔物のエサ
 [第一行動方針]:テリーが起きるまで見張り
 [第二行動方針]:テリーを説得
 [基本行動方針]:打倒ハーゴン

【テリー@DQ6】
 [状態]:走ったことによる疲労(数分で回復) 睡眠
 [装備]:イーグルダガー
 [道具]:なし
 [第一行動方針]:睡眠
 [基本行動方針]:ミレーユを生き残らせる

【E-4/アリアハン城下町/朝】

【マルチェロ@DQ8】
 [状態]:右腕に刺傷 左腕に矢傷
 [装備]:なし
 [道具]:84mm無反動砲カール・グスタフ
   グスタフの弾(榴弾×1 対戦車榴弾×2 発煙弾×2 照明弾×2)
 [思考]:ゲームに乗る?

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