[No.14]
リアリスト
【登場人物】
マルチェロ
「…くっ、油断したか」
テリーとハッサンへの奇襲に失敗したマルチェロはルイーダの酒場にいた。
傷を支給品の水で丁寧に洗い流しながら、マルチェロは顔をしかめた。
負傷箇所が両腕のためやりにくいが、
傷口が化膿したりすることを考えれば手を抜けない。
言い争いをしていたはずの青帽子とモヒカン頭の二人が、連携プレイを見せるとは思わなかった。
右腕をボウガンで撃たれ、左腕を切り裂かれ。
グスタフを保持することができずに取り逃がしてしまった。
――自信と過信。
強力な火器を手に入れた事で舞い上がり、己を見失ってしまった。
「この世界では臆病者だけが生き残れる…という事か」
マルチェロは昔読んだある小説のセリフを思い出した。やれやれ、自分がそんな立場におかれるとは。
まあいい、これからはこの両腕の痛みが、戒めとなってくれるだろう。
マルチェロ――彼はリアリストだった。
自分達に殺し合えとのたまったハーゴンの言いなりなど吐き気がする。
が、生き残れるのはただ独りだけなのだ。
そして自分はこんなふざけたゲームでむざむざ死ぬなんて御免だ。
ならば、よろしい。参加者では無くただの動く標的。そう思うしか無かろう。
ただしうかつに他の参加者を狩り出して回るのは危険すぎる。
こちらが奇襲を受ける恐れがあるからだ。
慎重に、臆病すぎるほど慎重に行動しなければ。確実に殺れるチャンスだけを狙って。
進む方向は決まった。
マルチェロはこれから自分が行う殺戮ショーを思い描いてニヤリと笑った。
「まずは鎮痛剤でも探すか…」
【E-4/アリアハン城下町/朝】
【マルチェロ@DQ8】
[状態]:右腕に刺傷 左腕に矢傷
[装備]:なし
[道具]:84mm無反動砲カール・グスタフ
グスタフの弾(榴弾×1 対戦車榴弾×2 発煙弾×2 照明弾×2)
[思考]:ゲームに乗る(ただし積極的に殺しにいかない)